ホンダCB750 K0 エンジンオーバーホール その3

森山です。

CB750K0のつづきです。

ヘッドカバーを外しました。・・・SOHCの2バルブ!
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カム、ロッカーアームです。・・・ロッカーアームでかい・・・
この後、ロッカーアーム外し、カムシャフト外します。
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次に、カムホルダーを外します。・・・・シリンダーヘッドと別体です。・・めずらしいです。
ここ近年カムホルダーは、ヘッドと一体のエンジンが多いです。・・・ジャーナルが
焼きつくと当然ヘッド交換になります。・・・残念。
ヤマハのFZR750シリーズ・・FZ750/FZR750/FZX750/0W01/YZF750等は、
カムホルダーが別体でした。・・・ヤマハは、カムケースAssyと呼んでいます。
ヤマハのジェネシスエンジンはDOHC、バルブリフターを介しての直押しで、5VALVE・・・
しかも当時としては強烈なバルブ挟み角で、ダウンドラフトストレートポートでした。
FZ750が最初でしたがヘッドのコンパクトさに驚きました。・・・忍者の半分位?
このカムケースにリフターホールが設けられ実に複雑な作りでした。シリンダーヘッドに
カムケースを載せたのは、やはり一体成型での加工の難しさからなのでしょう。
カムケースAssyの固定ボルトはなんと51本・・・バルブ・スプリング・リフター等は20個
かなり重い?・・・昔、YZF750SPで、フルオーバーホールした時、カム、バルブ、カムケース、
ヘッドAssy、シリンダーAssy、ピストンその他もろもろ・・・・
交換しましたが・・・部品点数多く、しかも高い・・・・新品ながら、意外と精度が悪かったですね。
・・・恐るべし、20バルブエンジンです。
・・・勇気ある20VALVEオーナー・・・超フルオーバーホールいたしませんか?
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カムホルダーの裏側に!ありました。
・・・・昭和44年7月30日!・・・
どこかしらにスタンプされている・・・探すのが楽しみでござる。
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ヘッドです。
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燃焼室です。・・・超硬いカーボン体積してました。・・・古ければ古いほど硬いです。
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オイル漏れの原因のヘッドガスケットです。
オイル漏れで汚いです。・・・ちなみにガスケットは、驚きの石で出来てました。・・・
・・・うそ・・・石のように硬くなってました。
スタットボルトが細い・・・本当に細い。
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シリンダー外します。
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ピストンです。
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アップで見たら・・・・腐食しておる!長い間、寝ていた時期がある証拠です。・・・当然、
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シリンダーも錆びていました。
・・・計測の為、清掃し錆び落とししましたが・・・
錆びの層は深いです。・・シリンダーとヘッドの清掃で、かなり時間かかりましたが・・
カーボンやゴミやガスケットかすで、正確に測定できないので超ピカピカに掃除します。
せっかく、ピカピカにした部品でも・・・測定したら使えないものもあり・・・交換となり・・・
・・・きれいにしたのに!・・・へこみます。・・・・特に、旧車は大変です。
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No1シリンダーのトップです。・・・問題なし。・・・No3も同じ。
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No2シリンダートップです。・・・問題ありです。
トップリング摺動部分が異常に磨耗してました。・・・・爪がひっかかる位の磨耗です。
・・・・No4も異常磨耗です。
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シリンダー内径を、シリンダーボアゲージで測定します。
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測定中の図。
1シリンダーで、X&Yの縦4箇所・・・・計8箇所測定します。・・・シビアな場合は16箇所測定します。
ちなみに4気筒なので32箇所測定です。・・シビアなパターンは64箇所です。
同じくバルブガイドの内径も測定します。・・・ボアゲージは測定範囲がありますので、何種類も
必要です。3パイから150パイの測定で5本のボアゲージが必要です。
図は無いですが、バルブもガイドもご臨終でした。・・・畜生!バルブ8本綺麗に磨いちまったぁー。
当初、オイル漏れのみの修理でしたのでリング換えて、バルブは、摺り合わせのみで・・・と・・・
やはり、そう甘くはなかった。
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測定の結果。・・・やはりNo2とNo4のシリンダートップ大きく磨耗してます。
限度値に近いので、オーバーサイズでボーリングです。・・・・が・・・・
最近のホンダは、オーバーサイズ設定あるけど、ないのです。・・・日本だけ買えない・・・なぜ?
海外では買える。
ボーリングすると排気量が増えるから・・・398ccが400cc以上になった・・・大型免許がない!
車検の問題などなど・・・そうなるオーバーサイズピストンを販売していいのか!との・・・
正義の味方?・・・白黒つけたがる?・・・クレーマー苦情?のため国内販売中止となった。・・残念です。
修理して乗れない。・・シリンダーごと買わなければならない。・・・古いとなおさらである。
でも、男カワサキーは売ってます!・・・Z系はすばらしい!
今回のCBはスタンダードがテーマなので・・・オーナー希望の純正STDピストン使います。・・
・・シリンダーライナーを、打ち換えて、STDピストンに合わせてボーリングします。・・・ワッハハハ
でも、オーバーサイズピストンは必要です。・・・純正品の国内販売して欲しい。
398ccでなく380ccで販売してオーバーサイズMAXで398ccにすればいい・・・
もしくは、法律を作ればいい。・・・でも最近の法改定はアブねーからなー。
便利なはずが不便になるし・・・今日も銀行いったら・・10万円以上の振込みは・・・本人確認が
どうのこうの・・・現場を知らない人間の作ったザルのような決まりごと・・・欠陥だらけの穴だらけ・・
対策にならない対策ばかり・・・子供でも判る欠陥・・・ほどほどの昭和がよかったなぁー。
白黒つけすぎるとおかしくなる。
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当然、
腰上は、オーバーホールになります。・・・・そして・・・カムチェーンも伸び伸びだし。
ここまで傷んでいると・・・・腰下もただではすまぬ状態・・・
エンジンも降りている事だし・・・オーナーに電話します。
腰下の分解点検してもいいですか?と・・・・さらに、コスト掛かります。と・・・
ただのオイル漏れ修理がエンジンフルオーバーホールに変った瞬間です。

今まで、調子も良くなく・・・そろそろかな?と思いつつ・・・
今後は、気持ち良く乗っていきたいから全部見といてよ。頼んだよ。との言葉でした。
頑張ります!の返事でした。
Kゼロのオーナーは、バイク乗りとしても大先輩、人生においても大先輩なのです。
かっこいいです。自分もあの年まで大型に乗っていたいですね。

つづく。
by moriyamaeg | 2010-08-06 02:24 | エンジン編

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