ホンダCB750 K0 エンジンオーバーホール その3
2010年 08月 06日
CB750K0のつづきです。
ヘッドカバーを外しました。・・・SOHCの2バルブ!
カム、ロッカーアームです。・・・ロッカーアームでかい・・・
この後、ロッカーアーム外し、カムシャフト外します。
次に、カムホルダーを外します。・・・・シリンダーヘッドと別体です。・・めずらしいです。
ここ近年カムホルダーは、ヘッドと一体のエンジンが多いです。・・・ジャーナルが
焼きつくと当然ヘッド交換になります。・・・残念。
ヤマハのFZR750シリーズ・・FZ750/FZR750/FZX750/0W01/YZF750等は、
カムホルダーが別体でした。・・・ヤマハは、カムケースAssyと呼んでいます。
ヤマハのジェネシスエンジンはDOHC、バルブリフターを介しての直押しで、5VALVE・・・
しかも当時としては強烈なバルブ挟み角で、ダウンドラフトストレートポートでした。
FZ750が最初でしたがヘッドのコンパクトさに驚きました。・・・忍者の半分位?
このカムケースにリフターホールが設けられ実に複雑な作りでした。シリンダーヘッドに
カムケースを載せたのは、やはり一体成型での加工の難しさからなのでしょう。
カムケースAssyの固定ボルトはなんと51本・・・バルブ・スプリング・リフター等は20個
かなり重い?・・・昔、YZF750SPで、フルオーバーホールした時、カム、バルブ、カムケース、
ヘッドAssy、シリンダーAssy、ピストンその他もろもろ・・・・
交換しましたが・・・部品点数多く、しかも高い・・・・新品ながら、意外と精度が悪かったですね。
・・・恐るべし、20バルブエンジンです。
・・・勇気ある20VALVEオーナー・・・超フルオーバーホールいたしませんか?
カムホルダーの裏側に!ありました。
・・・・昭和44年7月30日!・・・
どこかしらにスタンプされている・・・探すのが楽しみでござる。
ヘッドです。
燃焼室です。・・・超硬いカーボン体積してました。・・・古ければ古いほど硬いです。
オイル漏れの原因のヘッドガスケットです。
オイル漏れで汚いです。・・・ちなみにガスケットは、驚きの石で出来てました。・・・
・・・うそ・・・石のように硬くなってました。
スタットボルトが細い・・・本当に細い。
シリンダー外します。
ピストンです。
アップで見たら・・・・腐食しておる!長い間、寝ていた時期がある証拠です。・・・当然、
シリンダーも錆びていました。
・・・計測の為、清掃し錆び落とししましたが・・・
錆びの層は深いです。・・シリンダーとヘッドの清掃で、かなり時間かかりましたが・・
カーボンやゴミやガスケットかすで、正確に測定できないので超ピカピカに掃除します。
せっかく、ピカピカにした部品でも・・・測定したら使えないものもあり・・・交換となり・・・
・・・きれいにしたのに!・・・へこみます。・・・・特に、旧車は大変です。
No1シリンダーのトップです。・・・問題なし。・・・No3も同じ。
No2シリンダートップです。・・・問題ありです。
トップリング摺動部分が異常に磨耗してました。・・・・爪がひっかかる位の磨耗です。
・・・・No4も異常磨耗です。
シリンダー内径を、シリンダーボアゲージで測定します。
測定中の図。
1シリンダーで、X&Yの縦4箇所・・・・計8箇所測定します。・・・シビアな場合は16箇所測定します。
ちなみに4気筒なので32箇所測定です。・・シビアなパターンは64箇所です。
同じくバルブガイドの内径も測定します。・・・ボアゲージは測定範囲がありますので、何種類も
必要です。3パイから150パイの測定で5本のボアゲージが必要です。
図は無いですが、バルブもガイドもご臨終でした。・・・畜生!バルブ8本綺麗に磨いちまったぁー。
当初、オイル漏れのみの修理でしたのでリング換えて、バルブは、摺り合わせのみで・・・と・・・
やはり、そう甘くはなかった。
測定の結果。・・・やはりNo2とNo4のシリンダートップ大きく磨耗してます。
限度値に近いので、オーバーサイズでボーリングです。・・・・が・・・・
最近のホンダは、オーバーサイズ設定あるけど、ないのです。・・・日本だけ買えない・・・なぜ?
海外では買える。
ボーリングすると排気量が増えるから・・・398ccが400cc以上になった・・・大型免許がない!
車検の問題などなど・・・そうなるオーバーサイズピストンを販売していいのか!との・・・
正義の味方?・・・白黒つけたがる?・・・クレーマー苦情?のため国内販売中止となった。・・残念です。
修理して乗れない。・・シリンダーごと買わなければならない。・・・古いとなおさらである。
でも、男カワサキーは売ってます!・・・Z系はすばらしい!
今回のCBはスタンダードがテーマなので・・・オーナー希望の純正STDピストン使います。・・
・・シリンダーライナーを、打ち換えて、STDピストンに合わせてボーリングします。・・・ワッハハハ
でも、オーバーサイズピストンは必要です。・・・純正品の国内販売して欲しい。
398ccでなく380ccで販売してオーバーサイズMAXで398ccにすればいい・・・
もしくは、法律を作ればいい。・・・でも最近の法改定はアブねーからなー。
便利なはずが不便になるし・・・今日も銀行いったら・・10万円以上の振込みは・・・本人確認が
どうのこうの・・・現場を知らない人間の作ったザルのような決まりごと・・・欠陥だらけの穴だらけ・・
対策にならない対策ばかり・・・子供でも判る欠陥・・・ほどほどの昭和がよかったなぁー。
白黒つけすぎるとおかしくなる。
当然、
腰上は、オーバーホールになります。・・・・そして・・・カムチェーンも伸び伸びだし。
ここまで傷んでいると・・・・腰下もただではすまぬ状態・・・
エンジンも降りている事だし・・・オーナーに電話します。
腰下の分解点検してもいいですか?と・・・・さらに、コスト掛かります。と・・・
ただのオイル漏れ修理がエンジンフルオーバーホールに変った瞬間です。
今まで、調子も良くなく・・・そろそろかな?と思いつつ・・・
今後は、気持ち良く乗っていきたいから全部見といてよ。頼んだよ。との言葉でした。
頑張ります!の返事でした。
Kゼロのオーナーは、バイク乗りとしても大先輩、人生においても大先輩なのです。
かっこいいです。自分もあの年まで大型に乗っていたいですね。
つづく。