GPZ900R A12 Mさん号エンジンオーバーホール その1
2011年 01月 30日
今回は、GPZ900R A12
Mさん号のエンジンオーバーホール その1でござる。
走行は約40000kmで調子は良い・・・ミツションの入りがやや重いくらいです。
距離からすればオーバーホールにはベストでござる。・・・早すぎず遅すぎず
現在は、ノーマルエンジンに4-1集合管とFCR37仕様です。
エンジンの中はどうなっているか?大きな問題が無ければよいのだが・・・いよいよ分解でござる。
ヘッドカバーをはぐり・・・中身、チェック!
カムシャフト&ロッカーアームは、インレットもエキゾーストも焼き付きありました。・・定番です。
市街地走行は致命傷・・・しかたない・・・消耗品でござる。・・・今回は、少しでも長く使う為に、
オイルポンプをZZR系とし、当店スペシャルオイルライン装着してもらいましょうっと。
シリンダー&シリンダーヘッドの固定ボルトでござる。・・・非常に程度良く綺麗でござる。
ヘッドの上側でござる。・・・スラッジ無くこれまた綺麗でござる。
・・・やはり、オイル交換サイクルがベスト!すばらしい。・・・でもカムは焼き付く・・・残念。
高級オイル使用して、常にぶち回せば、カム焼き付きにくいでござる。
今回は、フルオーバーホール・プラスST-1仕様でござる!
ヘッドは、ヨシムラST-1カム・ロッカー・バルブ・ガイド・その他交換、シートカット・ポート加工です。
もちろん異音も消します。・・・ホンダ並みに!・・・ガハハハ
燃焼室側でござる。・・FCRでパンチ仕様・・・市街地走行だとやや濃くなりカーボン溜まる。
これまた高荷重でブッ飛ばせば良いのです。
ピストントップでござる。・・・カーボン・・・加速ポンプも効いてます。
市街地に合わせて次回は少し絞りましょう。・・加速感は薄れますが、エンジンの伸びは良くなります。
ノーマルピストンです。・・・908cc
ピストン外しました。・・・裏側、綺麗でござる。・・・今回は75mmピストンでの972ccにします。
コンロッドです。・・・小端部問題なし。
・・・小端部の傷ついたものも多いでござる。ひどい場合は交換です。
外したシリンダーの内壁でござる。・・・クロスハッチがまだ残り・・・一見程度良い・・・よーく見ると
錆びた後がある・・・長期使用してない時期があった証拠でござる。
クラッチ廻り分解・・・点検。・・・・全体にややガタが多いでござる。
クラッチとミツションは磨耗に個性がでる部品でござる。・・・各部の程度が、みんなバラバラでござる。
扱いに個人差があり、乗り手の癖が出るところでもある。
プレッシャーカバーにスプリングの痕が・・・遠心力でスプリングが外周に押し付けられ・・・
削れてます。・・・ひどくなると、この削れた段にスプリングが噛み込み・・・作動不良で、
クラッチ切れにくくなり、ギアチェンジ重くなる。そのまま走行しつづけるとミッションまで傷みます。
オイルパン外します。「おぉーーーーーーーーーー!綺麗!」
ものすごく綺麗です。やはり、良質のオイルを正確なサイクルで交換するべきですな。
現在、Mさんは、アッシュFSEを、2000km~3000kmで必ず交換しております。
中古で購入してますので・・・前オーナーのオイル管理は不明でござる。・・・乗り方も不明。
ミツションAssyです。・・・ここまでは通常のへたり具合の部品達でござったが・・・この
ミツションはガタガタでござる。・・なぜ?・・・ミツションのボールベアリングが死んでガタ多し、
今まで見た事無いガタつきである。・・・
・・・その為、各ギアもグラグラ・・・・・ミツションブローにならなくて良かった。
原因は、ベアリングの錆び付き後の激しい磨耗が原因のガタで放っておくとバラバラになります。
ミツキのガンマのクランクベアリングブローと同じメカニズム!錆!・・・恐るべし!
ミツションはかなりの費用が掛かりますが使えないので、クラッチ共々今回は交換します。
全開走行やコーナー途中でのミツションブローはかなり危険です。・・・後輪ロック!転倒!
クラッチ切ってもロックしたまま!・・・Mさん、開けてよかったですね。・・命拾いでござる。
クランク&コンロッドです。
クランクピン程度良い!曲がりも0.015mmで問題なし!
よく見ると・・・コンロッド大端部、小端部のサイド・・・・少し錆びてます。・・・これは問題ないが、
このエンジンはシリンダーライナーの錆、ミツションボールベアリングの錆は致命傷でした。
日本は、湿度が高く、雨もよく降るし、結露もします。・・・長期保管は難しいです。・・・
やはり、コンスタントに乗るのが一番の薬でござるなっ。
つづく。