GPZ900R A12 Mさん号エンジンオーバーホール その3

森山です。
GPZ900R A12 Mさん号エンジンオーバーホール その3でござる。
今回はポート加工です。
GPZ900Rのポートは鋳肌で凸凹、段差がある、形状が悪いなど・・・パワーアップの為、修正します。
ポート加工には・・・段付き修正&チョイ形状修正&チョイ研磨のST-1。
全表面修正&形状修正&研磨のST-2。形状変更&拡大&鏡面研磨のST-3があります。
今回はコストパフォーマンスにすぐれるST-1仕様!・・・972ccであればST-1で十分でござる。



各種リューターと刃物です。・・・荒削りから仕上げまで道具と刃物を使い分けていきます。
ST-3のポート加工時が最も大変です。・・・何日も費やす作業となり腕、肩、目が激しく疲れます。
一番手前のリューターはロングシャンクで、長時間握っていると手首がおかしくなるので・・・拙者が、
ピストル型に改造した物です。ピストル型は尋常ではない超長時間の作業時には良いです。
削り始めると3時間位ぶっ通しでして・・・リューターを握り締めている手が固まり・・・開かなくなり・・
痛みを伴い激しく手が攣る・・・・ので最近は1時間おきにお湯で手を温めながら作業します。・・・
ジジイになった。もう3時間ぶっ通しは無理でござる。・・・トホホ
GPZ900R A12 Mさん号エンジンオーバーホール その3_a0163159_1162016.jpg



老眼鏡とエアーリュター・・・・感無量でござる。もう若くない・・・白髪の髭面・・・しかもクソジジイ。
この小型リューターの動力は圧縮空気で・・・歯医者さんと同じ「キィーーーーーン!」でござる。
狭い部分の加工に使います。
ジジイ・・・耳も遠くなり耳栓がいらないのはありがたい。
GPZ900R A12 Mさん号エンジンオーバーホール その3_a0163159_1163986.jpg


ST-1ポート加工の段付き修正加工・・・段があるとかなりのパワーダウンですので、なめらかに
加工します。シートリング付近、スロート付近は重要です。
IN&EXバルブは共に外当たりとし、リング内径をチョイ拡大しましてBIGバルブ効果も狙いの
加工です。これで、K972とヨシムラST-1カムが生きてきます!
GPZ900R A12 Mさん号エンジンオーバーホール その3_a0163159_1165936.jpg


ポート内は鋳肌の為凸凹です。・・・これを綺麗に均すのですが・・・凸凹の凸を取り除き
凹が消えるまで削ると・・・結果的には、かなりの拡大となるのです。さらに磨き込むと・・
さらなる拡大。・・・・拡大が良い場合はこれでよし!拡大したくない場合は凸だけを取り除く
加工とします。・・・・狙った回転域での流速が最重要でござる。適正な径と形状と長さでござる。
凸凹の凸を削った位のところの図。凹が無くなるところまで削ると、見た目は良いが、削り過ぎ・・・
忍者は908cc、この部分の径がもともと大き過ぎる!972ccならこのままの径が良いでござる。
GPZ900R A12 Mさん号エンジンオーバーホール その3_a0163159_1171796.jpg


ST-1では、バルブガイドは削りません。耐久性を落とさない為。・・・・でも、ST-3ですと気持ちよく
スパッと削り落とします。・・・・耐久性より馬力追求!
図は、拡大写真ですが、ボケてよく分かりません。・・・企業秘密の為、ピンボケ?
・・・自慢げに撮ろうと思い死ぬほど接近しすぎて・・・・拙者、接写、失敗でござる。
GPZ900R A12 Mさん号エンジンオーバーホール その3_a0163159_1173345.jpg


ポート加工も無事、完成!シリンダーのボーリング加工も完成。・・・・いよいよ組み立てでござる。
GPZ900R A12 Mさん号エンジンオーバーホール その3_a0163159_118094.jpg


GPZ900R A12 Mさん号エンジンオーバーホール その4につづく。
by moriyamaeg | 2011-02-22 01:14 | エンジン編

モリヤマエンジニアリングの日常を投稿してます


by moriyamaeg