カワサキGPZ400Rエンジンオーバーホール・・・その1

森山です。
カワサキGPZ400Rエンジンオーバーホール・・・その1でござる。
一世を風靡いたしました、GPZ400Rです。当時、爆発的に売れました。脱空冷の時代でしたね。
ヤマハはXJ400ZS・・・のちにFZ400R、スズキはGSX400R、ホンダはVF400F
水冷4気筒4VALVEでハイパワーな時代の到来でした。
それにしても・・・・今のミドルクラスは・・・・情けないでござる。・・・・売れないから仕方ないが・・・・
正直、未来のライダーは育たないでござるなっ。・・・・・
若者よ!ビッグスクーターやアメリカンに乗ってる場合ではないぞ!・・・年寄りの乗り物でござる。

車体から降ろしたエンジンでござる。走行は30000km・・・白煙が出ちゃいます。
部品供給もギリギり・・・長く乗りたいので何とかしたい・・・でのオーバーホール依頼。
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開始でござる。まず、分解前に洗浄です。
エンジンを吊るして・・・・ゴシゴシと・・・・長年の汚れは、意外と綺麗になりません。
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ヘッドカバーをはぐります。・・・・この時が一番、緊張します。なぜならば・・・
エンジンの程度やオイル管理などが一目瞭然の瞬間なのです。・・・・このエンジンは、いかに・・・
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カム山でござる。物凄く良いですなっ。
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綺麗です。・・・生産中止部品なので嬉しい程度でござる。今後も大切に使うので・・・
オイルは高級品で早めの交換を望みたいですな。
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ロッカーアームも程度抜群です。・・・当たりでござる。最終型の400Rは問題ない!
その昔・・・GPZ400Rの兄弟車でFX400Rというバイクが発売されまして・・・新車から
わずか1000kmでカム焼き付きという事があり・・・リコールでした。原因は、熱処理の
失敗!・・・そのロット全てダメで、全車交換でした。当時の拙者、せっせとカム交換してました。
まぁ~めずらしい事ではない!・・当時は、全メーカーあれこれしくじってましたなっ。
80年代は、色んな技術の進歩の過程でしたからね・・・
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センターカムチェーンなのでロッカーシャフトは2分割・・・・900Rはサイドカムチェーンなので
1本ものでござる。・・・・腰上はGPZ900Rに似てます。
この後・・・・GPX400Rまでは、ただの発展型でござるが、ZX-4からが超進化型でござる!・・・
ZRX400Rの基本となったZX-4は、すばらしいエンジンでござった。
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ヘッド外して・・・出て来ましたピストンでござる。
白煙の原因は・・・・シリンダーでした。・・・錆びた跡があり・・・月のクレーターだらけでござる。
修理方法はオーバーサイズでのボーリングかシリンダー交換ですが・・・・部品は全て生産中止!
通常のメニューでは無理でござるので・・・拙者、なんとかします。
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コンロッドはOKですなっ。・・・・外周は錆びている所もあります。
長期乗らなかった時があったのですね。・・・・その時、シリンダーが錆びたのですなっ。
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これは、ウオーターポンプにある駆動ギアです。・・・・めずらしい・・・・
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クランクケース側の駆動ギアです。・・・・プライマリーシャフトに付いてます。・・・なんだかちょっと
不自然でござるなぁ~。腰下はZ400FX~GPZ400Fまでの空冷4気筒エンジンにほぼ類似・・・
・・・・それをベースに水冷化した模様でござる。
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オイルパンを外します。この時もハラハラドキドキでござる。・・・・異物が多量ですと程度は悪い
からです。・・・今回は問題ないでござる。良い感じです。
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腰下のオイルパン上方でござる。
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右側でござる。パルサー系とクラッチ系を外し・・・・
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左側でござる。発電機系とミツションカバーを外し・・・
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クランクケースを分割しました。・・・クランクやミツションが見えます。
どでかく・・・幅のあるのは、プライマリーチェーンです。・・・クランクの動力をチェーンに伝え、
チェーンからプライマリシャフトに伝え・・・プライマリーシャフトのに付くギアからクラッチの
ドリブンギアへ伝える・・・ややこしい昔の構造です。
現在の主流はクランクとクラッチドリブンギアは直結でコンパクト軽量ござる。
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点検の結果・・・クランクとコンロッドは良好でござる。・・・全てのメタルは新品にします。
ミツションは・・・1速と2速が・・・グラグラ・・交換したい・・・
・・・・なんと部品が出ました!良かった。
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あれこれと生産中止部品に悩みながらの作業です。・・・完成は、まだ先ですなぁ~。
ピストン、シリンダーが大変そうです。

つづく。
by moriyamaeg | 2011-08-03 02:16 | エンジン編

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