ZRX1200Rのエンジンチューン&オーバーホールでござる。その3

森山です。
本日は、
ZRX1200Rのエンジンチューン&オーバーホールでござる。その3
エンジン分解し、点検測定し、部品注文し・・・・各部品を加工いたし・・・
やることの多いエンジンチューニングは、下準備が大変ですなっ。
今回のエンジンチューニングメニューは、ZZR1200用IN,EXカム、JE製の鍛造ハイコンプピストン、
各部のバランス取り、SPLポート&燃焼室加工、各部品にWPC、WPCモリブデンショット、DLC処理、
その他の加工、6速ミツション化、FCC強化クラッチ、FCR41キャブレター、点火系は、ASウオタニとし
ビッグ(メガ)ラジエター装着し、最後にワンオフマフラー製作でござる。エンジンは全バラでござるので
ダメな部品は全てメンテ&交換いたしまする。


程度良好のクランクは正確なダイナミックバランスを取りまして・・・・
コンロッドは重量バランス取り&耐久性アップの研磨でござります。
そんなコンロッドたちですが・・・・新車から装着されていたコンロッドの重量バランスがよろしくない・・・
ややこしい話ですが・・・・
1番コンロッドは、・・・・372.8g     2番との相性は悪い。  
3番、4番コンロッドより2g台重いだけだが・・・・肉付きが悪く3番、4番との相性も悪い。
鋳物のコンロッドは肉付きにバラツキがござる。コンロッド全体での重量合せでは意味が無い・・・・
回転運動部分重量を同じ重量にし、往復運動部分重量も同じ重量にします。・・・・
必然的に全体での重量は同じになる。
ですから・・・肉付きは重要で・・・これを揃えるのが重量バランスでござる。
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2番コンロッドは、・・・・367.4g   1番より5.4g軽く相性悪し・・・・
3番より3.1g、4番より2.7g・・・・重い。
それだけではござらん、このコンロッド・・・肉付きが悪く・・・3番4番との相性は悪い。
不快な振動の原因です。・・・仲間はずれの2番コンロッドでござる。
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3番コンロッドは、・・・・370,5g・・・・2番より3,1g重く、1番より2.3g軽い。
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4番コンロッドは、・・・・370,1g    3番と4番のクランクピンは180度・・・重量差はわずか0.4g!
3番と4番の小端部と大胆部の肉付きの相性も良い。・・・・3番と4番の相性は合格!
・・・でも4気筒ですから・・・1番と2番が喧嘩してたら意味が無い・・・全体では不合格!
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図は、左から2番、1番、3番、4番の順で並んでいます。
一応・・・・重量バランスは2番(左端)に合せましたが・・・ノーマルエンジンならこれで良いのですが・・・
今回は、高回転高出力エンジン・・・・コンロッドの耐久性アップの為・・・形状を少々変更し鋳肌を研磨
致すのです。・・・・手前の、無加工の2番コンロッドも磨かねばなりません・・・が、・・・
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4本中最も重い1番コンロッドはすでに削りまして、磨きまして・・・・これ以上は削れない・・・・
2番に合せますと・・・さらに削るはめになり急激な強度不足となりまするっ。
耐久性アップどころではない。
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ので・・・・・・・新たな仲の良いコンロッド達を買い揃えました。・・・3拍子の為でござる!
この4本のコンロッドは・・・・重量差も少なく、肉付きの差も少ない。・・・仲良しグループでござる。
再度、バランス取り!&耐久性アップ!再スタートです。・・・・「フゥ~疲れますなぁ~。」
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その4へつづく。
by moriyamaeg | 2012-08-08 00:06 | エンジン編

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