GPZ900Rキャブメンテナンス
2010年 03月 13日
バイクも人間も同じ早期発見早期治療ですね。早い方が安上がりです。
予防策を実行すればただみたいなものです。・・・その予防策をみな知らず実行せず、
そして手遅れとなりバイクが死んでゆくのです。バイクも生きるためのコストが必要です。
あまりに何もせずだと早死にします。たまには風呂に入れ、うまい飯を食べさせてください。
カバー掛けられ数ヶ月放置では・・・あまりにかわいそうですね。
今回はキャブレターメンテナンスです。
先日エンジンメンテナンスいたした国内ニンジャA11殿号のつづきでござる。
拙者、キャブセッティングも依頼されており各部点検しておりまする。・・・・キャブを外し、
キャブドレーン緩めガソリンを抜くと、そこには・・・黒いつぶつぶが、おるではないか。
つぶつぶに磁石を近づけると引っ付く・・・・残念な事にガソリンタンクも病に犯されておる。
臭いものにふたをする!ではなく臭いものは元から絶たねばならぬ!でござる。
この錆は、ガソリンタンクからのものでストレーナの網の目を通過して降りてきた錆の粉末
です。かなり細かいものから、大きいものまであります。・・・この錆なかなかの曲者で、
細かいものは各ポートに詰まり、大きいものはオーバーフローをよび・・・
てな訳で今回タンク錆とり&キャブメンテナンスとなりました。
ひどい錆の場合はタンク交換です。
エアークリナーボックス左側のエアーフィルターキャップです。
外周のスポンジがボロボロで、本体も反り返ってます。・・・・交換します。
エアーフィルターはK&Nです。
これもパッキンがのびのびで、まともに装着できずエアーリーク・・・
隙間からホコリばしばし侵入しており・・・最低でござった。
スロットルヴァルブ・・・スロットルバルブです。
黒いカーボンよごれはありますが、程度良好です。もつと真っ黒なキャブも多いです。
フロートです。ややガソリン染みありますがまだ使えます。
あと5年位は大丈夫?フロートヴァルブ・・・バルブもOK!
キャブから外した各ジェット類です。ジェットニードル以外は銅で出来ており
乗ってないと緑色に腐っております。
今回は薄汚れて、スロージェット系はカーボンだらけでした。
クリーニングしました。この後一つづつ点検し、だめなものは、即交換です。
これらは1000分の1単位で管理されております。・・・・・が、意外とダメなものもあります。
スライドバルブです。すり傷ありますが、京浜CVKはこんなかんじに磨耗します。
段つき磨耗がひどくなつたら交換です。しかしキャブボディー側も減りますので、
点検してみます。・・・だめならキャブAssy交換です。・・・めちゃ高い!
今回は厚みもまだあり、極度の段つきもなくOKでした。
ダイヤフラムです。この膜で負圧をキャッチするのです。破れるとバルブが開かずパワー
無しです。・・・・YAMAHAのVmaxがよく破けてました。さらにキャブジョイントもびりびり
切れます。Vmaxは、インシュレーターバンドを強く締めてはならぬでござる。シリコン成分
多いのか!でござる。
点検、測定、清掃、終了!キャブボディーです。ひどい場合は、全バラでオーバーホールです。
ボディーの程度は良好でした。
これは、チョークバルブで、きれいに清掃です。これまた程度良好。
チョークバルブ組み付けです。・・・・・いやー風呂の後は気持ちよいな!
その他もろもろ点検、確認、測定、組み付け&調整しまして、完成です。
この後やっとセッティングに移れます。キャブに問題を抱えたままではセッティングがうまく
いかないばかりか時間の無駄にもなります。
DYNOJETのジェットニードル測定中の図でござる。
さすがアメリカンずれずれでござる。磨り減っての寸法ではござらぬ。
ストレート径で擦れないところも計測しておる。・・・・1000分の5の差・・・
made in japan だと1000分の2くらい・・・でも3とか4もある・・ロットによるズレが大きい。
今回、たまたま2ペアでほぼ同じなので1-4と2-3で組めば好都合である。
その理由は長くなるのでまた後日。
キャブメンテ完成です。同時にタンクのメンテ、部品交換もやりました。
車体取り付けして、いよいよセッティング!・・・・・実はまだでござる。
カムシャフト、ロッカーアーム、カムチェーン等など新品なので慣らし運転があるのです。
まだ全開できないので,慣らし運転する為の低速域セッティングをしておきます。
同調&CO調整中の図。
これは4気筒同じ負圧で良しでござった。バイクによってはずらすこともある。・・・ずれた
ほうがベスト。・・・ホンダVFR800など各気筒の負圧指定があり、数値はばらばらでござる。
本日ここまでです。慣らしは1000Km
がんばってください。くれぐれも2000から3000rpm以下での長時間低速運転だめですよ。
また5000rpm以上は禁止です。
考えながら走ると危険なので2000から4000rpmをまんべんなく使い峠道を走ってください。
それでは、おやすみなさい。