kawasaki KH250 エンジンオーバーホール
2010年 03月 18日
本日は、2ストローク3気筒のKH250です。
悲しい事に、中古車で、購入して一度も快調に走ってないとのことで・・・・
3気筒のうち1番と3番の2気筒がさぼってまして・・・まともに走れない状態です。
まず依頼事項の点火系のポイント&コンデンサー交換調整を致しましたが・・ダメ。
次は、キャブレターの分解点検測定&清掃を致しました。・・・ダメ。
キャブレター本体にもダメージがあり交換です。・・・程度のよい中古をオーバーホールし、交換です。
ガスタンクも錆びており、錆び取り処理です。
残すは、エンジンです。・・・お金が掛かるところなので・・・みなさん避けて通りたいとこですが、
なにせ古いバイクで、この状況だと、ただでは済まないです。・・・あきらめて直すか、捨てるかです。
機械ものは正直です。・・・・ごまかしは、効きません。・・・壊れた部品は交換するしかないのです。
エンジンは、良い火、良い燃料、良い圧縮があれば、かかるし調子もいいのです。
ただしここで言う、良いにもレベルがあります。・・・このレベルの見極めが難しいのです。
だいたいですと、直してもしばらくするとまたダメになります。・・・高速だとエンジン粉々です。
直すなら、きちんと直しましよう。・・・・特に2ストは危険です。
オーナーのTさんは、2スト・トリプルの調子いい快音と走りを、あじわいたい!との事で依頼されました。
ならば快音と快走めざし、拙者、頑張って直します。
KH250のエンジン右側です。みがき込まれており非常にきれいです。

マッハシリーズは、500SS・350SS・750SS・250SS・KH500・KH400・KH250
などで長き生産でした。・・・・やたら白煙、吐いてましたっけ。
真ん中のシリンダー焼き付き、ミッション焼き付き、よく見ました。・・・まあ原因はメンテナンス不良ですが。
それにしてもシンプルで美しいデザインです。

シリンダーヘッドとシリンダーを外す。・・・空冷2ストなので、簡単に外れる。
現れたピストン・・・・・とりあえず汚いです。0.50mmオーバーサイズでした、何度も開けられて
いるエンジンのようで、ひどい組み方です。

全てのピストンです。首振りひどく、ガタガタでした。特に3番は完全にアウト!・・危なかった。
ガス抜けもひどいし、傷だらけでした。・・・・開けて良かったです。

シリンダーの中です。吸気側!・・・傷だらけで、削れまくりでした。・・・これは、O/Sボーリングです。

こちら、排気側!・・・錆びです。・・長く乗ってない頃があったのでしよう。・・・・ボーリングで直ります。

フロントスプロケットの付くアウトプットシャフトです。
オイルシール外周のウンコ・・・液体ガスケット塗りすぎです。・・・だいたいこのパターンは、
オイルシール交換せずに再使用する中古車仕上げか、素人メカが行ったオーバーホールです。
もはやオーバーホールとは言い難い内容です。・・・・一銭でも安くにも程がある。

クランクマグネット側です。・・・同じく液体ガスケット塗り、塗りです。・・・だんだん腹が立ってきました。
高いオーバーホールと、安いオーバーホール、金額だけでよく比較されます。
作業内容よりも請求金額ばかりを気にします。・・・高い、高いと、・・すると作業内容が大事なのに、
安く上げる為に部品を交換しなくなります。・・・そして長く乗れないエンジンの出来上がり!
もう一つは、中古車仕上げで利益を出す為に部品を交換しないのです。
まじめにフルオーバーホールしたら儲けどころでは無くなるからです。・・・・
オイルシールより高いものは交換しないので安いです。・・・・悲し過ぎる現実。

ピストンピンは抜けず大変でした。そしてガタガタでした。錆び&段付き摩耗ひどく最低・・・
スモールエンドベアリングの形のまま・・・当然、相手はコンロッドです。・・・こちらもご臨終です。

ピシトン側面に大きなキズもあり、リングもご臨終。

スモールエンドベアリングです。・・・・取れてはならない物がポロリ!
うーん・・・・何一つ使える物、無いではござらぬか!

クラッチ系分解です。

クラッチセンターナットです。
ロックワッシャーの爪も折り曲げてなく・・・曲げ忘れ?しかもボロボロ・・・死人が出ます。

右側クランクオイルシールです。・・・・ひどい組み方です。
飛び出しています。・・・左端は、ドリブンギアに削り落とされていました。
1次圧縮抜けです。・・・さようなら・・・

ケース分割です。ウンコだらけ・・・液体ガスケットだらけです。
やばいです・・・オイルチャージホールまで塞いでました。・・もう笑うしかないです。

右側クランクオイルシールは5mm飛び出してました。・・・・・ありえないです。

左側クランクオイルシールは2mm飛び出してました。・・・・・しかも驚きの!

シール4分割・・・ミラクルです。
これらのクランクオイルシール不良が1番3番のさぼりの原因です。・・・
・・・その他も原因いっぱいありますが、使える物なにもない、クランクウェイトぐらいです。

ケース分割後、お掃除が大変そうです。ウンコ除去、腐食除去です。
今回のエンジンで交換されていたものは・・・・・緑色の紙のガスケットだけでした。・・・残念。

クランクです。当然ウェイト以外全部交換します。・・・・古いバイクですが部品でます。
シリンダーは1.00mmオーバーサイズでボーリングです。

しっかりとした点検測定、各パーツ交換、正確な組み立てで快音、全快です。
2ストは20000kmでオーバーホールですね。40000km走ったら終わりです。
次のオーバーホールの為に貯金と無くなりそうな部品を買っておいてください。
オートバイの2ストは、20000kmで
4ストは40000kmですかね。・・・・・・・8ストなら80000km?・・・・8ストなんて無いです。
ホンダNSR250/ヤマハRZ250・350・RZ250R・RZ350R・RIZ・TZR250その他/
スズキRGVガンマ250SPその他/カワサキKH&SS系/アプリリアRS250・・・・等々
2サイクルエンジンのフルオーバーホールも致しております。
担当森山です。

結構いたんでますねぇ・・・(~_~;)
旧車はこういうの仕方ないですね!考え方を
変えればO/Hはいつかしなくてはいけないので
イイ機会ですね!
350SSはパーツが出なくて流用ピストンでO/Sを
作ったりかなり苦労しました・・・。きっちり治して
ガンガン走らせてあげたいバイクですよね!
カワサキトリプルの音はサイコーですもんね!!
ちなみにカワサキトリプルは純正マフラーの音が
一番好きです・・・ヽ(^o^)丿
by サネ


その記事がブログに残ってるので、是非遊びに来て下さい★
こんばんは。
ブログ拝見いたしました。KHはいい音しますよね。
KHの尋常ではない白煙が大好きでござります。
ベストコンディションで維持するのは大変でしょうが、
末永く、大切に走らせてください!
byもりやま

外装や足回りは見た通りですが、エンジンは中身の
ヘタリや磨耗や錆び・・・見えないので困ったものです。
購入時に注意すべきは、まずエンジンの程度でしょう。
買ってから分かる事だらけで・・乗れないし・・お金も掛かるし・・
正直、旧車はくじ引きです。あたればラッキーですが・・・
はずれると悲惨です。
byもりやま

当方KH250を購入何回か乗って調子が悪くなりいろいろあけてみるとキャブの中に緑園ができていたり、シリンダは傷だらけ、ピストンはサークリップの引っかき傷がついたもの(サークリップはついていたので前オーナーが交換せずそのまま組んだものものかと)とあければ開けていくほど悪い箇所がでてきます。やる気をなくしてしまいましたがもりやま様のブログをみてまた走りたいと思い直していこうと思います。
こんばんは。
KHも旧車中の旧車でござりますな。
幾度となく壊れ・・・直し・・・壊れ・・・
部品もさらに傷み・・・調子よくするにも全ての部品が揃わず・・
最低限の修理でなんとかする状況ですね。
購入してベース車両が当たりの人だけが喜び・・・
ハズレの人は・・・悲惨な思いをし・・・・
それでもKHに乗りたい!という信念でのオーバーホールですね。
結果はもちろん様々です。
なぜならば・・・交換部品がすべて新品ではないし、妥協での部品選択で・・・残念です。
同じ、オーバーホルをしても・・・ベースの良いエンジンと
悪いエンジンとでは・・・明らかに差が出ますね。・・・
ベースの良いエンジンならラッキーですね。
頑張って復活でござる!
byもりやま