GPZ900R エンジンオーバーホール その5
2010年 06月 30日
前回で腰下完了し、今回は、腰上組み立て調整です。
各パーツの組み立て前下準備が最も時間を要します。
これがなければメーカー工数で出来るのですが・・・
やらない訳にはいかないのです。
・・・古いものほど大変で、分解組み立てよりはるかに時間がかかる。
GPZ900R エンジンオーバーホール その5・・・最終回です。
1024ピストンです。ピストントップは専用形状に仕上げており、
もちろん重量も全てそろえてあるSPLです。・・・毎回やってますが・・

ピストン組み付け完了の図。・・・ここまでくれば後は早いでござる。

シリンダー組み付けの図。・・・今回はSSTを使いました。無くても組めます。
SSTが、使えるエンジンと使えないエンジンがあります。シリンダーピッチが狭いと
使えません。・・・当然使えた方が作業が早いです。

シリンダー組み付け、完了。シリンダーの丸い穴4箇所から冷却水が流れ込みます。
穴から見えているのが、シリンダーライナーです。忍者は、ウェットライナータイプ!
このライナーは全く錆びてません!LLCを定期的に交換しているからです。
錆びだらけの忍者が、多い中・・・・すばらしいことです。
LLCは、2年毎で必ず交換してください。・・・・特にウェットライナーの忍者は、重要項目!

シリンダーヘッドを載せました。
後方よりの図。カムトンネルの鋳肌面均し部分です。凸凹を平らにしてあります。

前方よりの図。こちらも均しました。・・・・今回、この凸凹を平らに均すのと、エンジンを、
サンドブラスト後、耐熱1000でペイントするのがKさんの楽しみでした。

カムです。 左が今まで使ったヨシムラST-1カムで、右が今回使うヨーロッパカム
です。・・・ヨシムラカムもIN側焼きつきで交換です。低中回転のトルクを出す為に、
ヨーロッパカムにしました。・・・国内カムだと高回転がトルク無いのでパスです。

カム組み付け、各部調整完了の図。この後ヘッドカバーを装着して完成です。

当然、純正バカ・テンショナーAssyはやめて、・・・転ばぬ先の杖です。
・・・・マニュアルカムテンショナーNEWバージョン装着しました!!!!!
これで、忍者の泣き所の、カムチェーン対策万全です。
マニュアルカムテンショナーは、小さな縁の下の力持ちでござる。

エンジン完成!・・・感無量でござる。新車からトータル80000km走行。
2回目のオーバーホールです!
これからまた全快で走れますね。Kさん、最高な日々を堪能してください。
次回は、10年後、120000km~130000km走行で、オーバーホールでござる。
10年後・・・拙者、まだ現役で働いておると思われますが・・・

この後、車体に搭載です。

1024エンジンフルオーバーホールは、最終回。
めざせ!全快200000kmですね。

いつも興味深く拝見いたしております。
御社独自にマニュアルカムテンショナーですが、GPZ400Rには使用できるでしょうか?
サイズが合わないでしょうか?
また、合うとしたら価格等、お教えいただきたいのですが。
こんばんは。
ありがとうございます。
GPZ900R系のエンジン専用で・・・
・・・残念ながら使用できません。
特注で製作出来ますが・・・単品製作の場合、
高額となります・・・・10セット以上のオーダーで有れば
通常価格(18900円)でOKでござります。
byもりやま

こんばんは。
せっかくなので・・・
GPZ400Rでのマニュアルカムチェーンテンショナーも
量産いたしますかぁ。・・・現存する数も少ないと思われますので
小ロットで・・・価格はGPZ900Rと同じ位とし・・・
頑張ってみます。
byもりやま

ご厚志ありがとうございます。
しかし、400Rの残存数はかなり少ないようなので、けしかけて売れなかったら大変申し訳ないです。
どうぞご無理なさらずに・・・・・

こんばんは。
旧車のオーバーホールの費用ですが・・・様々です♪
エンジン内部の程度により、交換部品や作業内容が大きく変化しますので・・・
持ち込まれたエンジンの分解点検測定後でないと不明です。
もちろん基本料金や基本メニューはござりますが、交換する部品は個体によりさまざま・・・
予算ありきのオーバーホールでは正しい作業が困難となり結果がでません。
予算が先か作業内容が先か・・・もちろん結果を出す為、作業内容が先です。
ただし交換部品が入手できない(生産中止など)と結果がでません。
byもりやま