GPZ900R A7 Sさん号 エンジンオーバーホール その2
2011年 03月 09日
Sさん号・・・・1990年式(A7のヨーロッパ仕様)でござる。・・・ここ近年、乗る機会が少な過ぎて
ダメになった部品も多いようです。・・年数で寿命の交換部品も有りますが・・・
バイクは、コンスタントに乗ったほうが絶対に調子良いです。
でも、チョイ乗りはエンジンをダメにしてしまいますので禁止ですが、乗るなら1回あたり200km
以上走行でござる。市街地の渋滞路はダメで・・・高速道路を使い峠道へGOが一番いいですね。
シリンダーです。右が今まで使っていたシリンダーで972です。・・・錆と磨耗で、通常の修理では
ボーリングなのです。・・・しかし、972は75mmで限界のサイズでござり、スリーブの厚さが薄くなり
これ以上のボーリングは厳しいでござる。・・・・・薄いスリーブは必ず変形します。
その為今回は程度の良いシリンダーを用意しまして75mmにボーリングしました。・・・左のシリンダが
それでござる。これから末永く使う為、錆一つ無いシリンダーを探し当てました。
クランクメタルの測定です。ピン外径とホール内径も測定します。・・・
古いと識別のマーキングやペイントが消えているものもある。・・・新品でも測定したほうが良い。
時間がかかる作業ですが・・・部品公差での個体差もあるし・・・不良品発見の為もあるし・・・
結果を出す為にはやるしかない作業でござる。
作業台の目の前にある温度計。・・・・作業台と同じ高さでござる。
安定して20度になるようにし、測定前に部品も計測器も20度にならしておきます。
クランクケースロアです。
良く見ると内面磨き込んであります。・・・・
ロアケースに装着されるバランサーのオーバーホールでござる。
・・・駄目なパーツを交換します。
こちらは、アッパーケースに装着されるスターターのワンウェイでござる。
A7なので3ローラーでござる。・・・・古くなるとガラガラヒューン・・・よく空廻りします!・・・ので
今回は、A10の強力タイプ(A8~)に交換します。
このワンウェイ16箇所でロックします!
・・・もともとはZX10が始まりで採用!その後のZZR1100からは全車採用の優れもの!
GPZ900RのA7までとGPZ1000RXは残念ながら3ローラーでござる。
ほら・・・16個のロックキーです。・・・Z系も3ローラーでよく滑るので、この16ロックを使いたい!
ちなみに重量測定しました。
3ローラーは、1035gでござる。
16ロックは強力でありながら・・・驚きの777g!さすがでござる。
組み付けました。ギア比が違うので、中間のギアも交換します。・・・元よりローギヤードとなるので
高圧縮に強い!・・・・これで滑らず、しかも強くなったでござる。
つづく。