GPZ900R A7 Sさん号 エンジンオーバーホール その3
2011年 03月 20日
GPZ900R A7 Sさん号 エンジンオーバーホール その3 でござる。
アッパー&ロア・クランクケースのメンテナンスとオーバーホールが完了しまして・・
お次は、中身のクランクやミツションのメンテナンスとオーバーホールでござる。
点検測定の結果で交換する部品は全て揃えてあります。部品の交換だけでなく
調整やメンテナンスしながら組み立てていきます。・・・全ては紹介しておりませんが、
ものすごく時間が掛かりますでござる。
キャリロ製コンロッドボルトが入荷!
おー!綺麗!
航空機に使われるボルトのようでござる。・・・値段も航空機並みの1本9000円でござった。
これで税込み75600円・・・まあ、無いと始まらないので・・・良しとする。
H型断面のキャリロコンロッドでござる。ものすごく丈夫なのに純正より軽い!優れもの。
チタンコンロッドも捨てがたい・・・が、チタンコンロッドは非現実的値段(4本で70万以上)でござる。
ポイントマイクロメーターでも測定できますが今回は、コンロッドボルト専用のダイヤルゲージで
ボルトの伸びを測定します。・・・ボルトは締めると伸びる・・・ボルトが伸びると・・元に戻ろうとする力
発生、これが軸力でござる。材質、太さ、長さ、熱処理・・・その他の条件で変わるが目標の数値になる
軸力が得れるように設計選択してある。・・・トルクレンチだと摩擦の違いなどにより実はちょい不正確
でござる。・・・塑性変形による締め付け方法は軸力が安定しているがボルトは再使用できずだし
ねじ山も傷む。・・・安ければ良いのだが・・・高いと困る。
作業開始です。・・・伸びの測定は、安定した温度で、室温20度で・・・寒い暑いはだめです。
今回、クランクシャフトは新品で、ダイナミックバランス取りしてます。トルクを出す為、軽量化は
してません。さらなる低中速のトルクアップの為カムもヨシムラST-1から逆車カムに戻しました。
・・・国内カムだと低回転はさらにいいのだが、高回転がいまいちなので今回はパスです。
No1のコンロッドを装着しましてボルトにゲージを装着します。・・・現在、伸び0mmでござる。
この後締めます・・・目標の伸びまで!
コンロッドボルトは2本ですので・・・何回かに分けて締めます。・・・交互に締めて・・トルクアップして
いきます・・・都度測ります・・しかも各ボルトの基準点が違うので注意しなければなりません。
もちろん締める工具はトルクレンチでござる。・・・あーややこしい!
No2のコンロッドです。目標の伸びになるまで・・・
締めていきました。・・・ゲージの針が移動してます!・・・ボルトがこれだけ伸びたのです。
時間をかけて・・・かかって・・・コンロッド4本装着完了でござる。
・・・・メーカー工数だとわずかな作業時間でござるが・・・こちとら
測定やれ温度やれ汚れやホコリや切削面やバリがどうのこうの・・・しまいには厚みが足りるだの
足らないだの・・・この部分以外にも同じ様なことが有ります。何はともあれ時間がかかりますな!
お次はミツションでござる。
図は、インプット側で、これからメンテナンス&オーバーホールします。
アウトプット側は、歯車2枚・・・死んでまして・・・交換でござった。
ミツション系メンテナンス&オーバーホールも終わり・・・
アッパークランクケースにクランクとミツションを載せまして・・・・確実にホコリ厳禁です。
この後ロアクランクケースを被せます・・・・が・・・
時間切れとなり・・・・・ちょうど限がいいので・・・本日ここまででござる。
つづく。