GPZ900R A7 Sさん号 エンジンオーバーホール その4
2011年 03月 30日
GPZ900R A7 Sさん号 エンジンオーバーホール その4でござる。(最終回)
前回は腰下の各部のメンテナンス&各部パーツ交換でした。水冷16バルブ4気筒の
オーバーホールは部品点数が多く時間が掛かります。空冷の4気筒のほうが楽・・・
でもない・・・古過ぎて・・・腐りまくりで下準備に時間が掛かり過ぎます。
下準備の部品洗浄や固着したガスケットやカーボン等の除去は分解組立てより時間を要します。
高年式(10年未満)ほど下準備が楽でござる。・・・ガスケットも「ペロリン」と簡単に剥がれるし、
腐食も無く作業がスムーズ!ボルトや部品の固着もなく「ポロリン」と簡単に外れるのはありがたい。
20~40年以上経過したエンジンは腐食・固着はしかたない。・・・・強烈に固着している時には、
想定外の時間とお金を使います。・・この作業は別途請求でござるので旧車は高くつくのでござる。
クランク、ミツション、バランサー、ワンウエイ他、メンテナンス&オーバーホールいたしまして
アッパーとロアケース組立てました。
この後、オイル系、クラッチ系、ミツション系他パーツのメンテナンス&オーバーホールしまして
組み付けます。
腰下が完了。次は腰上でござる。
シリンダーヘッドはガイド新品交換してシートカット。もちろんバルブも新品交換です。
ガタついたガイドとステムじゃ話にならず・・・バルブシート面も荒れてベタ当たり・・
調子よく長く乗るにはしかたないでござるな・・シートカットと摺り合わせだけじゃダメな場合も多い・・
・・・その上・・・カムシャフトとロッカーアームまで交換で・・・恐るべしGPZ900R忍者。
高耐久の忍者エンジンとなるように、やれる事は全てやるのでござる。
新車より良いエンジンとするのでござる。・・・が・・・部品代と手間はかさむでござる。
新品のカムシャフトですが・・・みんなが、思っているほど高精度では無い。・・・だって
1本・・26900円・・・安い!ロツカーアームは1個4040円・・・・妥当。
カム山やジャーナルの精度・・・公差の範囲ではあるのだが・・・ちと甘い。でも安いから仕方ない。
ありえないですが、1本・・・269000円なら高精度でござるはず。・・・・2本で538000円!
できるだけ調子よくするには・・・・新品でも手間をかけるしかない。
カムは磨り減ったらおしまいでござる。・・・消耗部品です。
測定しまして、万が一だめならメーカーに返品です。合格のカムを・・・ロットにより個性がある・・
合格カムに手間をかけます。
ヘッドに装着します。
カムジャーナルのキャップを締めます。
曲がり・・偏芯・・加工誤差・・・磨耗・・・・各部品が公差内でも、合算すると不具合発生。
合算がベストな値なら良いのだが・・・新車で異音がするなど不調なときは・・・公差の相性
が悪い時でのものもある。・・・部品の不良品は論外だが・・
ワイセコK972でござる。
・・・オーバーホール前も972でして・・・今回ボーリング不可能なので古いシリンダーは廃棄。
新たに、STDシリンダーを準備しましてボーリングしました。
シリンダーを装着しまして、ヘッドガスケットを装着します。
ヘッドを載せてボルトを締め付けます。
この後、カム廻りを組み完成でござる。
完成でござる。軽く化粧しまして・・・拙者ではなく、エンジンでござるぞ。
「よし!エンジン載せますかぁ。」・・・腰を悪くするので準備運動は大切でござる。
倉庫にしばらく保管しておりました。・・・久々の登場!
保管中は、車体にできるだけ外した部品を組み立てておきます。・・・2度手間ですが、部品の
保管場所が山になるのを防ぐ事と部品の紛失や傷を防げるからです。
搭載完了しました。後は外装付けて完成です。
長い日々でしたが無事完成しました。この後車検です!
「Sさん、納車は今週末にはできますよ。」