NさんのGPZ900R A12国内 エンジンオーバーホールその4

森山です。
NさんのGPZ900R A12国内 エンジンオーバーホールその4です。
前回は、腰下のケース上下組立てました。・・・つづきでござる。
中古エンジンの復活は長い道のりです。全部新品で組めばいいのだが・・・幾ら
なんでも・・・高額すぎる!
パーツリストの部品を全て購入したら新品エンジン組めます。が・・・合計金額に唖然・・・
ですからオーバーホールでは・・・
使えるものは使い、使えないものは交換したり修正したりでオーバーホールするのです。
・・・それでも安くはありません。
ある意味フルオーバーホールは情熱です。「このバイクで気持ち良く長く乗りたい!」という情熱
ですなっ。

スターター&ジェネレーター駆動チェーン系パーツです。
このサイレントチェーンですが・・・たまに切れます!危ない!クラッチカバーに穴が
開くほどのパワーです。初期型ほど危険!・・・900R後期型は対策されておりますが・・
・・ZRX1200Rの後期型は更なるチェーンサイズアップで対策されてます。・・かなりでかい!
1200もあるともたないのですな・・・途中で対策されておりましたが・・・リコールでは無いようで・・・
このエンジンは基本900cc設計でござる。発展も見越してはいるのでしょうが。。。
設計に無理のある部分も多いのですが・・・そこも含めての忍者なのでござる。・・・「カタジケナイ!」
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クラッチAssy&ジェネレーターチェーン系パーツ装着しました。
クラッチはフリクションとスチールプレートとオペレーティングプレートベアリングの交換で、他は
全て再使用でござる。・・・機能上問題なしの状態でござり。
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シリンダーヘッドでござる。
最終お掃除しまして・・・さんざん洗浄し、これから組立て開始!・・・「んっ!」
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「キィーーーーーン!」・・・・・高周波!攻撃!「おりゃーーー!」
目の前はロックンロールの・・・COOLS!・・・「うっわっ!渋びぃーい!」
拙者のガキ時代は・・・CAROL・・・COOLS・・・でござる。
通りすがり中!チャリのオバちゃん!も・・・「君は~♪ファンキー・モンキー・ベイビ~♪」チリンチリン♪
それでも作業は続く・・・「キィーーーーン!」
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段つきが気になり・・・修正中!チョチョイのチョイでござる。・・・・全16箇所ですが・・・COOLS!
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完成です。・・・気になり始めたら我慢ならず・・・
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ヘッドの下準備完了して、いよいよ腰上組立てでござる。
ピストン組付け後に、ピストンリングコンプレッサーを装着しまして・・・
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シリンダーを装着します。
今回は純正0.50mmオーバーサイズピストンでのボーリングでござり・・・白煙よさらばでござる。
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シリンダーの後はヘッド装着。・・・「んー、やっと先が見えてきた!」
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お次は、カムシャフトでござる。
上の2本が旧で、ごくろうさまのカム、異常に黒く汚れてます。
下の2本が新品で、凸研磨したカムです。・・・さすが新品!綺麗でござる。
・・・国内A12のカムシャフトでして、低中速でのトルクアップ狙いでござる。
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旧のごくろうさまカムのカム山でござる。・・・・死んでます。山があるので動きますが・・・
熱処理部分も剥がれ落ち・・・鈍らカムでの超鉄粉ばらまきとなりますので、無条件!早めの
交換が良いでござる。・・・もちろんロッカーアームも同時交換ですなっ。
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カムシャフト組み付けました。寿命の短いカムチェーンやガイド類も全て交換でござる。
今回も、・・・当店SPLパーツ!マニュアルカムチェーンテンショナー!での遊び管理でござる!
・・・「カムチェーン殿!超長生きしてくだされ!」仕様でござる。このマニュアルテンショナーKItは
18900円でござり、今月から汎用機のハンドメイドからマシニングセンター製作にしました。・・・
ハンドメイドでは、生産が追い付かないと言うか・・・あまりにも時間が掛かりすぎて・・・
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話、変わってオイルポンプでござる。
お客様持込の・・・「ZZR1100用かと?」・・・・中古ですが程度のよさそうなオイルポンプです。
「使えたら使って下さい」とのことでお預かりしておりました。・・・外観上はZZR1100っぽいが・・
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装着前の分解メンテナンスで判明・・・
トロコイド幅が狭い・・・残念ながらGPZ900R用でござる。・・・しかも・・・
このポンプ、傷は少ないが大問題が・・クルクルとシャフトが回らない・・・抵抗が大きい・・・・なぜ?
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こちらは、他の中古オイルポンプ・・・・細かい傷だらけ・・・オイルの交換サイクル不良、パーツ摩耗の
異物などが噛み込みでござる。
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話し戻って・・・こんなに綺麗なのになぜ大問題なのか?・・・それは・・・
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片側のフタがうまくない・・・通常、簡単に閉まるものなのだが・・・強引に閉めなあかん!
・・・セリが出てシャフトの回転が非常に重い!ダウエルピンを抜くとスムーズに回る。
ポンプボディーのシャフト穴加工不良かシャフト曲がりでしょう。
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シャフトです。
あたりの強いところが傷ついてます。
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総点検です。結論から言えば交換ですが・・・そうなった原因は知りたいので総点検です。
シャフトの曲がりはOKです。原因は、オイルポンプボディーの穴のズレでのセリです。
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本体と左右のフタをボルトで締めてから同時加工ですが・・・ダウエルピンが1箇所なので
ボルトのトルク不足や刃物のトルク、その他の原因で加工時フタがズレる可能性はある。
まさかの・・・同時加工ではない・・・単独での加工か・・・工場見学に行くしかないでござる。
・・・・ズレるといってもコンマ何ミリで・・・それだけの事で回りが重くなる。加工の失敗なのです。
無理すれば使えるのですが。。。今回は希望のZZR1100用でもなかったし。。交換します。
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作業は続くでござる。
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その5につづく。
Commented by 飯川 達也 at 2011-05-27 10:06
毎回、オーバーホールの様子を見せてもらえるのが楽しみです。
我が愛機はエンジンの鋳バリを削り落として塗装に出しました。これで新車の時から気になっていた部分がなくなります。
Commented by moriyamaeg at 2011-05-28 00:59
飯川 達也 さん
こんばんは。
エンジンのネタばかりですが
見る角度を変えてレポートすれば
もっと楽しめるのではと思いつつ・・・
まぁー、日々の作業日記ですから・・・しばらくはこのまま・・

エンジンのペイントは綺麗になっていいですよね。
ペイントは、バラした時がやり時ですよね。

byもりやま
by moriyamaeg | 2011-05-24 20:34 | エンジン編 | Comments(2)

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