NさんのGPZ900R A12国内 エンジンオーバーホールその4
2011年 05月 24日
NさんのGPZ900R A12国内 エンジンオーバーホールその4です。
前回は、腰下のケース上下組立てました。・・・つづきでござる。
中古エンジンの復活は長い道のりです。全部新品で組めばいいのだが・・・幾ら
なんでも・・・高額すぎる!
パーツリストの部品を全て購入したら新品エンジン組めます。が・・・合計金額に唖然・・・
ですからオーバーホールでは・・・
使えるものは使い、使えないものは交換したり修正したりでオーバーホールするのです。
・・・それでも安くはありません。
ある意味フルオーバーホールは情熱です。「このバイクで気持ち良く長く乗りたい!」という情熱
ですなっ。
スターター&ジェネレーター駆動チェーン系パーツです。
このサイレントチェーンですが・・・たまに切れます!危ない!クラッチカバーに穴が
開くほどのパワーです。初期型ほど危険!・・・900R後期型は対策されておりますが・・
・・ZRX1200Rの後期型は更なるチェーンサイズアップで対策されてます。・・かなりでかい!
1200もあるともたないのですな・・・途中で対策されておりましたが・・・リコールでは無いようで・・・
このエンジンは基本900cc設計でござる。発展も見越してはいるのでしょうが。。。
設計に無理のある部分も多いのですが・・・そこも含めての忍者なのでござる。・・・「カタジケナイ!」

クラッチAssy&ジェネレーターチェーン系パーツ装着しました。
クラッチはフリクションとスチールプレートとオペレーティングプレートベアリングの交換で、他は
全て再使用でござる。・・・機能上問題なしの状態でござり。

シリンダーヘッドでござる。
最終お掃除しまして・・・さんざん洗浄し、これから組立て開始!・・・「んっ!」

「キィーーーーーン!」・・・・・高周波!攻撃!「おりゃーーー!」
目の前はロックンロールの・・・COOLS!・・・「うっわっ!渋びぃーい!」
拙者のガキ時代は・・・CAROL・・・COOLS・・・でござる。
通りすがり中!チャリのオバちゃん!も・・・「君は~♪ファンキー・モンキー・ベイビ~♪」チリンチリン♪
それでも作業は続く・・・「キィーーーーン!」

段つきが気になり・・・修正中!チョチョイのチョイでござる。・・・・全16箇所ですが・・・COOLS!

完成です。・・・気になり始めたら我慢ならず・・・

ヘッドの下準備完了して、いよいよ腰上組立てでござる。
ピストン組付け後に、ピストンリングコンプレッサーを装着しまして・・・

シリンダーを装着します。
今回は純正0.50mmオーバーサイズピストンでのボーリングでござり・・・白煙よさらばでござる。

シリンダーの後はヘッド装着。・・・「んー、やっと先が見えてきた!」

お次は、カムシャフトでござる。
上の2本が旧で、ごくろうさまのカム、異常に黒く汚れてます。
下の2本が新品で、凸研磨したカムです。・・・さすが新品!綺麗でござる。
・・・国内A12のカムシャフトでして、低中速でのトルクアップ狙いでござる。

旧のごくろうさまカムのカム山でござる。・・・・死んでます。山があるので動きますが・・・
熱処理部分も剥がれ落ち・・・鈍らカムでの超鉄粉ばらまきとなりますので、無条件!早めの
交換が良いでござる。・・・もちろんロッカーアームも同時交換ですなっ。

カムシャフト組み付けました。寿命の短いカムチェーンやガイド類も全て交換でござる。
今回も、・・・当店SPLパーツ!マニュアルカムチェーンテンショナー!での遊び管理でござる!
・・・「カムチェーン殿!超長生きしてくだされ!」仕様でござる。このマニュアルテンショナーKItは
18900円でござり、今月から汎用機のハンドメイドからマシニングセンター製作にしました。・・・
ハンドメイドでは、生産が追い付かないと言うか・・・あまりにも時間が掛かりすぎて・・・

話、変わってオイルポンプでござる。
お客様持込の・・・「ZZR1100用かと?」・・・・中古ですが程度のよさそうなオイルポンプです。
「使えたら使って下さい」とのことでお預かりしておりました。・・・外観上はZZR1100っぽいが・・

装着前の分解メンテナンスで判明・・・
トロコイド幅が狭い・・・残念ながらGPZ900R用でござる。・・・しかも・・・
このポンプ、傷は少ないが大問題が・・クルクルとシャフトが回らない・・・抵抗が大きい・・・・なぜ?

こちらは、他の中古オイルポンプ・・・・細かい傷だらけ・・・オイルの交換サイクル不良、パーツ摩耗の
異物などが噛み込みでござる。

話し戻って・・・こんなに綺麗なのになぜ大問題なのか?・・・それは・・・

片側のフタがうまくない・・・通常、簡単に閉まるものなのだが・・・強引に閉めなあかん!
・・・セリが出てシャフトの回転が非常に重い!ダウエルピンを抜くとスムーズに回る。
ポンプボディーのシャフト穴加工不良かシャフト曲がりでしょう。

シャフトです。
あたりの強いところが傷ついてます。

総点検です。結論から言えば交換ですが・・・そうなった原因は知りたいので総点検です。
シャフトの曲がりはOKです。原因は、オイルポンプボディーの穴のズレでのセリです。

本体と左右のフタをボルトで締めてから同時加工ですが・・・ダウエルピンが1箇所なので
ボルトのトルク不足や刃物のトルク、その他の原因で加工時フタがズレる可能性はある。
まさかの・・・同時加工ではない・・・単独での加工か・・・工場見学に行くしかないでござる。
・・・・ズレるといってもコンマ何ミリで・・・それだけの事で回りが重くなる。加工の失敗なのです。
無理すれば使えるのですが。。。今回は希望のZZR1100用でもなかったし。。交換します。

作業は続くでござる。

その5につづく。

我が愛機はエンジンの鋳バリを削り落として塗装に出しました。これで新車の時から気になっていた部分がなくなります。
こんばんは。
エンジンのネタばかりですが
見る角度を変えてレポートすれば
もっと楽しめるのではと思いつつ・・・
まぁー、日々の作業日記ですから・・・しばらくはこのまま・・
エンジンのペイントは綺麗になっていいですよね。
ペイントは、バラした時がやり時ですよね。
byもりやま