ZRX1200Rのエンジンチューン&オーバーホールでござる。その15
2012年 10月 26日
ZRX1200Rのつづきでござり・・・・その15、最終回でござる。
走安性向上のカウルフレームマウントKIT装着と
HID装着とアナログ機械式水温計(ラムコ製)の装着でござる。
ZRX1100,1200R用のカウルフレームマウントKITでござる。・・・ZRX特有の・・・
高速域での車体のブレ・・・外乱に弱いZRX・・・
車体各部の補強やサスペンション変更もござるが・・・
設計上、フレームの強度アップは劇的にはアップできずです。・・・そこで・・・
フロント荷重を増やしたり、走行風の影響を減らしたり、その他でござりっ。・・・これらも重要な対策!
その中の高速域の走行風や横風の影響は意外と大きく・・・・
アッパーカウルがステアリング系に直付けのため走行風にあおられ・・・ブレブレッ・・・
ブレの収束が遅いだけでなく増幅もしますのでよろしくない。
このアッパーカウルの装着位置をステアリング系からフレームへ装着!することでブレが激減!
・・・ブレても収束が早いのです。
ダウンチューブやスイングアームやフレーム補強等よりも即効果でござりますっ。また、
カウルやライト類の重量物がステアリング系から排除されるのでハンドリングも軽くなりまする。
さらに、純正はステアリングと共に切れるので、転倒した時にアッパーカウル前方が地面に接触し
必ず傷つきますがフレームマウントですとカウルは真正面のままで固定されるので傷つきません。

今回、カウルフレームマウントKITの装着と同時に、
錆びたライトリムと変形したブラケットも交換いたします。

まず、カウルフレームマウントKITに、カウルステーやライトやウインカー他,
装着いたしまする。

HIDも装着でござる。の図。
HIDのバルブの後方は大きく飛び出しておりますが・・・・その部分の逃げも十分確保しています。

ハンドルの切れ角が多過ぎて転ぶと簡単にフロントタイヤが巻き込みフォークとステムが曲がるZRX
・・・・ダウンチューブの右側がアルミ製のためフレームも曲がりやすい。・・・ので・・・
カウルフレームマウントKIT付属の部品・・・ハンドルストッパーが役に立つのです。
この部品で、切れ角を減らしますので転倒時のフォークやフレームへのダメージが少なくなります。

ハンドル(ステアリング)ストッパー装着開始でござる。・・・この位置に装着します。
切れ角も、減らしすぎると取り回しやUターンがつらいので適度な値としておりまする。

まず、図のようにストッパーを裏側にセットし・・・・・

ケガキ針で穴をケガキまする。・・・・・

ケガキました。・・・・この長穴のセンターにポンチを打ちます。・・・・そして、

5mmのドリルで下穴を開けますが、必ず、コナードリルを使用し下方向より穴開けですぞっ。
・・・・・・(ちなみにZRX1100の初期型は大きな穴が開いてますのでこの作業は不要で
ねじ切りも無し。ボルト&ワッシャー&ナットで固定いたします。)

5mmの穴が開きました。・・・・・その後、

M6ーピッチ1.00のタップでネジ切り・・・・・

完成したネジ穴でストッパーを固定します。・・・・・付属のボルトで確実に締め付けます。・・・・そして、

下側からロックナット!・・・・ダブルロックで緩みどめとします。

ハンドルストッパーの次の作業です。
・・・・ハンドル切れ角が減少してしまいますとハンドルロックが掛けられなくなりますので
メインキーを加工します。

メインキー(メインスイツチ)をロックさせると飛び出る部分がござる。
・・・この部分を一部カットしハンドルロック出来るようにいたします。
カットの寸法は現車で測定します。・・・・・今回は、ピンクの部分をカットします!

カット完了!・・・この後、カット面をならします。

メインスイッチを装着し・・・・ハンドルを左側に切ってロックします。・・・ロック確認。・・・OKです。
この方法は簡単です。・・・が・・・反対側の右側でのロック(P)は出来ません。・・・・そこで・・・・

メインスィツチ側の加工でなく・・・図の、フレーム側のロックホールを横方向へ拡げれば同じく
ロック可能ですし、左右のロックホールを加工すれば左右でのロックが可能でござる。・・・が・・・
ノーマルに戻す時が大仕事なので、やはりメインスイッチ加工の方がいいですなっ。

いよいよ、カウルフレームマウントKIT本体をフレームに装着いたします。

センター位置決めし・・・
フレームヘッドにクランプでござる!・・・・・当たり前のことですが・・・・
装着前に・・・・フレームヘッドクランプ部分を全周を良く確認してください!
メーカー溶接時の溶接スパッタは確実に除去してくだされ!砂、泥よごれ等も除去ですぞ!
(スパッタ・・・・溶接時に溶接物が飛び散り溶接箇所以外の部分に溶着したもの。)
小さなつぶつぶですが・・・そのままクランプいたすとクランプ強度が低下し危険でござるぞっ。
スパッタは、ヤスリがけで地道に除去でござる。

左右に付くテンションロッドで左右均等にテンションかけてロックいたします。
何でもそうですが・・・・確実に付けるという事は・・・・実にめんどうな事でもござります。また、
気付かなかった・・・や・・・知らなかった・・・でのトラブルもござりますので・・・やはりベテランに
装着してもらうのが一番ですなっ!

この後、カウル装着しまして完成です。・・・・その前に・・・

各配線やカプラー類は綺麗にまとめます。・・・・適当に押し込みますとトラブルの元ですぞっ。!

カウルフレームマウントKITの次は・・・・
旋盤加工で図の部品を製作いたしました。

・・・水温計のセンサーを取り付ける部品でござる。

センサーはこの様に装着されます。・・・・
先端の部分がサーモスタット直前のゴムパイプ内冷却水に直接触れるようになっております。

2つの部品をドッキングさせ・・・・これから溶接いたします。

溶接完了!

ブラックにいたしまして・・・・装着でござる。

サーモスタット直前のゴムパイプを分割いたし・・・・その間に割り込ませ装着いたします。

上からの図です。
他の部品と干渉せず、整備性の良い場所でなければなりません。

センサーを取り付けました。

水温計は、カウル内のインナーパネルセンターに装着!・・・・・視認性抜群でござる。
フレーム固定KITにいたしますと、カウルは前方に移動いたします。・・・・
・・・・そのスペースを利用でござる。・・・・インナーパネル加工し装着です。
アナログのメーターは高速域でも・・・針の角度で瞬時に温度確認できまする!・・・「チラ見でOK!」
デジタルの液晶ですと太陽光で見にくい&小さな数字表示でもござり
瞬時で読み取るのがジジイにはつらいですなっ。
「やはり、計器類は視認性の良いアナログメーターが一番でござる。」・・・・が・・・
このメーターはラムコ製で当店在庫分です。現在、ラムコは会社が無くなり・・・・買えません。
老舗の大森メーターも廃業いたし・・・・・残念です。
MADE IN JAPANの高精度&高耐久、機械式アナログメーターは貴重な存在です。

あれこれと作業は進み・・・・遂にセッティング開始でござるっ!・・・ダイナモ載せ調整いたします。

ZRX1200R完了!・・・・・・・・お次は、実走テスト&調整でござる。
7000RPMからの加速はヤバイっ・・・・標準エンジンとは全く違うエンジン・・・
フル加速時に前傾姿勢とれない・・・現状では、前傾が非常にとりずらいポジションです。
ハンドルが高く、かつ手前すぎて前輪に荷重をかけられない・・・・街中は殿様乗りで楽チンですが・・・
フル加速と高速が、つらいので低いハンドルにいたします。
スクリーンもMRAのリップタイプに変更し・・・・・そして、いよいよ完成でござる!
「U殿、安全運転で末永くZRXをよろしくでござりまする!」

残す作業は・・・・操作性とポジションの良いバックステップワンオフ製作。
スイングアーム変更とブレーキ系変更・・・・お待ちしておりまする。
非常に長い作業と長いレポートでござりましたが、これにてZRX1200Rおしまいでござる。