kawasaki ZL900 エンジンオーバーホールでござる。その9

森山です。
ZL900のつづきでござる。
・・・旧車の下準備は多岐にわたるもの・・・





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冷却系のサーモケース部分・・・
サーモスタット&Oリングは交換されており・・・







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サーモケースはウエットブラストで見た目は綺麗になってますが・・・
腐食層は深く大きなクレーターでござり・・・肝心な
Oリングが追従できずクーラント滲み発生でござる。








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サーモケースに付くファンスイッチと水温警告灯スイッチも当時物で・・・
ヤレて配線被覆も超カチカチ・・・現状、実動ですが・・・
被覆割れて内部の銅線がむきだしとなっております。
現在、各スイッチは販売終了でござる~。
・・・今回は、コーキングにて防水&補強だけしときますが応急処置です。
100%当時物の電装系部品、さすがに30年経過ですから後がないので・・・
次回作業は、電装系メンテナンスですな。










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ラジエターのパイプ差込口の腐食除去&大掃除&化粧開始でござる♪の図。
ファンスイッチ&電動ファンも当時物でござり・・・販売終了かっ。
今回の予算枠もござりますので・・・電装メンテ時にあれこれ遂行ですな♪。









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エアークリナーボックスAssy
・・・点検&メンテでござる。









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ダクトホースは新しいものに交換してありましたが・・・
No3とNo4は図のように正常装着。









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・・・No1とNo2のダクトホースは逆さま装着でござる。










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このような状態でしたので・・・










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このように装着しなおします♪









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エアーエレメントでござる。
・・・社外品装着ですが・・・











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空気の流入量とガソリンの供給量のバランスは重要でござる!
チョイ濃くてもチョい薄くても長期に渡りますと深刻なダメージとなります。
エンジン系・マフラー系・点火系・燃料系・・・全てが標準で快調ならば
設計通りの純正エアーフィルターが一番っ♪

抜けの良い社外マフラーといたし、吸気系はハイフローの社外エアーフィルター♪
肝心な燃調がいまいち・・・じゃアウトです。
「全てが標準であれば快調なはず!もし不調であれば要メンテ時期です!」













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エアーエレメントとエアーボックス間に隙間が出来ないようにスポンジがござりっ。
このスポンジは超重要でござる。
・・・ボックスの劣化による大きな変形や割れでエアーリークしていたらアウト!
エアーリークのあるボックスやリッドは交換ですな。
(エアーボックスにも寿命がござるのです。)











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社外のハンドルに交換してありましたがこれまた今一でござる。
「回り止めの穴は必ず開けるべし!」
ハンドルに付く左右のハンドルスイッチは、樹脂製が主流でござり
クランプ能力はほぼゼロ・・・その為、
操作時に動かぬようにスイッチ側に突起がござりまして、ハンドル側には穴がござる。
・・・突起が穴に入りズレ防止となる設計でござる。

汎用品である社外ハンドルに穴が無いのはあたりまえ・・・
汎用ですから、装着時に各車ごとの適正位置への穴開けをいたすものなのです。
が・・・
穴開けの事を知らずか、めんどくさいかで・・・











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ハンドルの穴開けは無し!・・・すると、
スイッチ側突起が邪魔で装着出来ないので突起をカット♪・・・すると、
セルボタン押すたびにスイッチが動き逃げるっ。・・・すると、
テープ巻いたり・接着したりでのダメ対策っ。・・・が、
右ハンドルスイッチがスロットルホルダーになっておるタイプですと最悪で・・・
スロットル操作でホルダーが動くし・・・
グリップをつかんでバイクを引っ張ると、スロットルごと抜けるし・・・危ない。
・・・ライディング以前の話でござり、ろくなものではござりません。










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そんなハンドル&ハンドルスイッチ(販売終了)となっておりましたので直しますかっ。
削り落とされた突起部分センターに・・・
ドリルでタッピングスクリューの下穴開けまして・・・












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頭径5mmに加工(ややテーパー形状)したタッピングスクリューを
ねじ込みまして・・・・









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ハンドル側に5mmの穴を開け・・・












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穴に突起を差し込み・・・固定いたしますっ♪
・・・これでスイッチ操作&スロットル操作が良好♪
放置できない状況であればやるしかない下準備作業もござります。
スルーしても結局跳ね返ってくるものです。

抜粋での紹介ではござりましたが・・・・エンジンオーバーホール依頼であっても
エンジンオーバーホールだけでは終わらない(結果が出ない)のが旧車でござります。
つづく。








by moriyamaeg | 2017-01-21 08:43 | エンジン編 | Comments(0)

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