ZL900・・・30年の年月・・・・
保管・お掃除・乗り方・オイル管理・通常整備等がベストでも
核心の部分は当時物部品だらけでござりノーメンテナンスですから・・・
今後、長くないし調子も悪いのです。
快調な乗り物(機械)だけなら現行新車への乗り換えが近道でござるが・・・
そんなに簡単な話でもなく・・・旧車には損得だけでない愛着と拘りがござるのです。

当時物エンジン・・・30年も経てば各性能維持そのものに限界がきておりますぞ~♪
今後20年を楽しく快調に走りきるには・・・新品部品があるうちに
・・・性能限界部品を全て交換いたすしかない状況(時期)でござります。


パイプ外しますと・・・


ヘッドカバー外し・・・

初期型特有・・・華奢な部分もござるが加工精度は高い。

測定しますとカムもロッカーも減っております。
減っていても虫食いが無いのは・・・オイル管理や常用回転域が高く
信号待ちや渋滞路が少ないと虫食いは少ないです。


・・・めちゃめちゃ減っておりました。
「カムの虫食いが無いから、程度よく好調なエンジンとは限りませんぞ。」


スカート側圧方向のあたりぐらいはありますが・・・
腐食も大きなトラブルも無しでした♪。

全てのカムチエーンガイドは・・・

テンショナーが押す部分は新品は凸ですが、なじんでチョイ凹むレベルですが・・・
こりゃ、強烈に凹でござる~♪。

・・・「危なかったですなぁ~。」

ひび割れだらけで、こりゃすごい!
カチカチでの超ひび割れ・・・砕けたらエンジンブローですぞ。



GPZ900Rのクランクケースを上手にシャフトドライブに変換しておりますなぁ~。


加速減速による衝撃から各ギア・ベアリング・ケース・シャフトその他を保護する為・・・
ギアケース側に3爪♂がござり、その奥に巨大なダンパースプリングがござり・・・
この爪(♂♀)とダンパースプリングで衝撃干渉(クッション)となるのです。
奥のベベルギアで(90度変換)後方のシャフトに動力を伝える仕組みでござる♪

シャフトドライブ系各部品保護の為、バックトルクリミッターがこの時代でありながら
装着されております♪。
走りを良くすることだけでなく、アホなシフトダウンから部品を守る為でもござる。

クラッチオペレーティング(プレッシャープレート)の外周に無数の傷っ!
「こりゃ、傷だらけですなぁ~♪」


通常走行時はジェネレーター駆動いたしており、駆動方向に問題ない設計なのですが・・・
エンジン始動時が問題で、スターター駆動時に駆動力がテンショナーを押し下げるのです。
テンショナーのロック機構がへタると・・・テンショナー&チェーンは大暴れいたし
テンショナーのスライダー先端がクラッチオペレーティングプレートに激突&攻撃っ!

へタると必ず当たり最期はチェーンがブチ切れ最悪の結末です!
・・・こりゃ、いつ切れてもおかしくない危ない状態でござりましたなぁ~♪。

クラッチハウジング・・・アウトでござりました。
・・・・つづく。
ZL900のつづき。

・・・残すはリア足廻り(シャフトドライブ系)でござる。

スイングアーム内部を駆動シャフト(プロペラシャフト)が通っておりますので
一般的なピポットシャフト(長い貫通ボルト)だと通せないのです。そこで・・・
スイングアームピポット部の左右にあるベアリングをテーバーベアリングとし、
フレーム外側から高精度で丈夫なピンを差し込んで、剛性確保&ガタなく作動
するように装着でござる。
丈夫なピンだけでなく、スイングアーム側もフレーム側も精度と剛性が必要です。

ベアリングにプリロードをかける外側の部品を外し・・・ピンを抜きます~♪

浸透剤吹き付け・・・放置・・・吹き付け・・・放置・・・吹き付け・・・
繰り返し・・・力技で傷めないよう時間をかけますっ。

(新車で1秒の仕事が、旧車は2時間でござるか~♪)


定期整備していればこうはならないのですが・・・
「スペシャルメンテナンス」は重要でござるぞ。

シャフトドライブ・・・・構成部品も多く鉄の塊でもござり重たいのでござる。

ようやくエンジン降りましたぁ~♪「バンザイ!」

・・・つづく。
GPZ900Rが1984年に発売開始、翌年
エリミネーター900(ZL900)発売でござりました。
GPZ900Rは2003年式まで続きましたが・・・
エリミネーター900は、1985年式と1986年式のわずか2年の発売でござりっ。
GPZ900Rのエンジンをベースにシャフトドライブ化ですが
各部コストがかかっております。

吸気系、排気系、カムシャフト、その他、変更いたし
低中回転域のトルクアップ♪・・・スタートダッシュの良いエンジンです。
・・・マフラーの音量&音質も素晴らしい♪

・・・オーナー殿の磨き込みも最高でござる♪


ガレージ保管&確実な掃除が効いておりますなぁ~♪


しかも、新車から30年経過いたしており一度も分解整備されていない部分は・・・
外観のような程度ではない・・・
内部腐食いたし超固着ですなぁ~。・・・ネジが回らない、部品が外れない等も多く
いらぬ作業も増え大幅に時間がかかるのです~。

30年物のゴム部品は全滅・・・もちろん交換しなきゃ直らない。
・・・生産中止部品も多数ござるがなんとかいたします♪。


冷却パイプとゴムホース・・・・冷却水の漏れがござり


・・・ボロボロに腐っております。
「これじゃ、バンドを締めても漏れますな。」


こんなに錆がまわっているエンジンを久しぶりに見ましたなぁ。
シリンダーが鋳鉄製でウエットライナータイプでござるので爆発的に錆びるのです。
2年毎のクラーント交換をしていない時期(長期)があったのでしょうなぁ~~。

・・・こちらも冷却水漏れです。

何もかもがアウト・・・・冷却系フルメンテでござる。

冷却系部品を外し・・・次は、マフラーを外しますかっ。

・・・だめなら折り、手間を増やしての折れ込み修理ですな。



内部も腐っております。
・・・固着ボルトは、ここだけでなく・・・あちらこちらでこのような状況。

カバー未装着なので・・・2か所の折れ込みの修理をいたします。
新車から外すのは簡単ですが・・・
ボルトやナットの腐食固着だらけですと手間が大幅に増えるのです。


ダクトホースは交換済みのようですが・・・大きな問題がござりますなぁ~。

腐食との戦いのない車両だと・・・もう降りている時間なのですが・・・まだまだ、
これからリア足廻りを分解し、スイングアーム&シャフトを外しますっ。

・・・つづく。
綺麗にレストアいたしても保管不良や掃除&整備不足ですと短命となります。
日々の完璧な整備&掃除&保管場所があればレストア不要で長寿でもござりっ。

ゴム部品が長生きしない・・・定期交換ですなぁ~。
拙者も、さすがに70過ぎたら乗らない?・・・免許返納予定っ?
あと20年は、気持ちよく走しりたいですなぁ~♪
12月車検でござり・・・各部ゴム部品を交換予定でござる♪

フロアーマットの洗濯でござる♪(重ねて使用しております。)
右は当時物のゴムマットで、下に敷き・・・
左はB13サニーのマットで、上に敷いております。

拙者、新車で買って乗ってました。(その車両の物です。)


パッチンの留め具も鉄製でござります♪

羊かラクダか?・・・動物の毛なのか植物なのか?・・・
とりあえず天然素材っ。

昭和の時代・・・金属部品が多く、
天然素材も多い(動物植物繊維、皮、木材でのハンドルやシフトノブ)・・・
大衆車ですら手を抜いておりませんっ。
高級車は本革シートなどなどで・・・
大衆車はビニールシートや樹脂のダッシュボードでもござるが、
今より格段に良い。・・・より良いものを!の時代ですからなぁ。
時代もござるが・・・
平成26年の石油部品だらけの時代・・・コストも重要ですが、落とし過ぎ・・・
利益利益ではいけませんなぁ~。



車検点検整備でござる。・・・その4(最終回)
車体系、前後足廻り系、前後ブレーキ系、電装系、エンジン系、燃料系、その他、
総点検いたし不具合部分がござれば・・・その後、打ち合わせいたしまして
不具合部分のメンテナンス開始でござります。

エンジン系、足廻り系、電装系、ブレーキ系、その他・・・一巡のフルメンテは
完了した車両でござるので快調です。
常日頃から、都度メンテいたしておりますので大きなトラブルは無く
早期発見早期治療を心がけている賜物ですなっ♪





クラッチワイヤーの交換依頼♪。
同時にレリーズ系も全て分解いたし洗浄&グリス交換いたします。
(寿命であればレリーズAssyで交換でござる。)

・・・・出先で切れてしまいますと難儀です。
スロットルワイヤーやクラッチワイヤーにもスムーズで快調な時期がござり
渋い動きとなったら寿命・・・切れるまで使ってはいけません。

全てのメンテナンスが完了いたした車両で・・・その恩恵で快調でござる。

組み上げており・・・新車の耐久性でござりまったく問題なしですっ♪
電装系は、第一段階メンテで各ハーネス系&スイッチ系メンテ・・・
後に、ジェネレーター・点火電装部品・セルモーターも後追いで壊れ・・・
第二段階のメンテで全て新品といたしており快調でござります。
・・・・「結局、傷んでくると、遅かれ早かれ全部交換なのですな。」
燃料系もずいぶん前に・・・新品タンク&FCRキャブも新品投入でしたが、
かなりの経過年数ですから・・・次に寿命なのはFCRでしょう。


今回の車検点検整備では・・・どこも悪くない状況でした~♪
整備も一巡(快調めざし悪いところを全て新品部品で完全整備)いたすと
・・・新車のように快調でどこも悪くない車両となるのです。
2013年10月5日にスタートいたした
「フロント16インチ、リア18インチ・・・バイアスタイヤの時代。」
・・・時の流れは速いですなぁ~。
完成から2年経過いたしまして・・・今月、継続車検でござります。

ベストな距離を定期的に走行させておりますっ♪(走行させないと各部傷むので)
また、2年に一度の車検で確実な点検整備&メンテナンスを遂行でござる♪



・・・絶好調でしょう♪


後輪出力99.7PS絶好調です♪。
・・・カタログ値は115PSですがクランク軸です。後軸ですと
クランクからリアタイヤまでの各フリクションロスがござるので
後軸98PS出ていればOKっ♪。
忍者のフルパワー仕様は・・・
A1~A6までは115PSですがA7~A16はチョいとパワーダウンでの
108PSです。
比較のために・・・
青のラインがA6忍者ヨーロッパ仕様(115PS)の快調車両データー
緑のラインはA14忍者マレーシア仕様の快調車両データー
を表示してます。
「1年に一度は、パワーチェックでの快調確認でござるっ。」
2年に一度の車検点検整備は重要でござりっ。
得体のしれない車両や旧車の場合は・・・やはり分解点検が一番でござる♪
外部からの点検(外部判断)だけでは、分からない事も多いのです。

前後足廻り分解点検で・・・

まずはFホイールから・・・SSTでベアリングリテーナーを回して・・・



ゴリゴリでまともに回転せずのベアリングで走行していたのですっ。
高速でベアリング崩壊して転倒してしまったらシャレにならず・・・命拾いしましたなぁ~。
問題なく走るから何もしなくて良しじゃダメ!・・・「確実な点検が大事♪」
定期的に確実な分解点検を遂行すれば良いだけなのです。
それこそが車検点検整備のあるべきすがた・・・とりあえず車検じゃ危険ですな。



Fブレーキ系メンテいたし・・・無事完成でござりました♪。



全て終わっております。


ねじ込んでいきましてベアリングを固定いたすものでござる。
内側にはダストシール(オイルシール)がはめ込まれております。
・・・今どきのオートバイにはない仕組みでござる。


・・・走安性も良くなりました♪
「めでたし、めでたし、」
つづく。